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学会ポスターを作る(2)書式とデザイン
学会ポスターを作る際に「フォントの大きさは?」「フォントの種類は?」などと迷うことは多いです。学会によっては、フォントなどの指定があることもありますので、学会で指定されている場合は、それに従いましょう。もし指定がない場合は、最適な方法を自分で選択していくことになります。また専門領域によっても使用するソフトや、表現の方法など大きく異なります。
近年は研究者個人のSNSや研究室のサイトで、初学者用に説明されているサイトもあります。所属する学会の先生方の研究室サイトや情報発信をこまめにされている先生などのサイトを訪れてみてもいいかもしれません。その際にも、心理学や人文科学で通用するか、自分の研究に適合するかなどに注意することが大切です。
サイラボ編集部でも、これまでにいろいろなサイトを訪問して参考にしてきました。代表的なサイトとしては
「伝わるデザイン 研究発表のユニバーサルデザイン」
「テクポス」
などがあります。やはり「見やすさ」というのは大切です。発表者は自分の研究内容を理解していますが、閲覧者や聴衆者は全く発表者の研究については知らない人です。端折り過ぎずに丁寧に発表して損はないでしょう。またイケてると思って、配色やフォントなどをお洒落にしてもいいですが、見にくければ意味はないですね。例えば、スティーブジョブスのプレゼンのように資料は少なくトークだけでやっても日本では相当の実力者でない限り理解してもらうのは難しいでしょう。むしろ、学術会議では確かなデータと表現の仕方が大切です。丁寧に一つ一つ順を追って記載しましょう。しかし丁寧に説明すぎて、特定の聴衆者のみに長時間をとられてしまうのは損ですので、発表をコンパクトにまとめる技術も大切です。
次にフォントです。まずフォントの種類ですが、指定がなければこれも様々です。上記サイトなどを参考にしいただいても構いませんが、サイラボ編集部で調査し平均的な発表スタイルをまとめてみましので、一つの参考としてください。
①フォントの種類は?
ゴシック体が無難です。Microsoft PowerPointでは「MS P ゴシック」があります。英字の場合は、「Century」か「Times New Roman」を使います。数字の場合も英字と同様ですが、数字は必ず「半角」にしましょう。
②フォントの大きさは?
これは発表会場の規模や、聴衆との距離、発表内容の量などに左右されます。30ptから40ptが無難だと思われます。サイラボ編集部では、テーマ(タイトル)70pt〜80pt、氏名・所属48pt〜54pt、小見出し60pt、本文32pt〜36pt程度を基本に作ることが多いです。文章の量や全体のバランスを見ながら調節していきましょう。
③背景の色、文字の色は?
基本的に、白色の背景に黒色の文字が見やすいです。反対に小見出しなどは、色付きの背景で文字を白色にするなどメリハリをつけてもよいですね。
以下に、ポスター作成で役立つような書籍をあげておきます。大学の図書館などには関連の書籍が多くありますので、探してみましょう。
読みやすいポスターを作るには、文字や図表のレイアウトも重要です。どの図表をいくつ使うのか、どこに配置するのか、実際にパワーポイント等で作り始める前に、メモ書きで良いのでレイアウトを決めておくとよいでしょう(パワーポイントではレイアウトの変更が比較的簡単に行えますが、細かく作り込んだ後で変更すると手間がかかります)。
ゼロからレイアウトを考えるのは大変だなという場合は、下記リンクからA0サイズポスターのテンプレート(Power point)をダウンロードできます。無料です。ご自由にお使いください。
学会ポスターテンプレート
「方法」や「結果」では積極的にグラフや表を用いて華やかな見た目にしましょう。たくさんのポスターが並ぶ会場で自分の研究に目を向けてもらうためには、一目でおおまかな内容を理解することができる図や表はとても効果的です。かと言って、グラフや表だけでは物足りません。発表者がいなくても、ポスターを見ただけである程度研究内容を理解できるようにしましょう。統計データ解析結果など全データをポスターに載せる方がおられますが、全データを掲載することが正しいとは限りません。またテキストで説明しているのに、再度同じことを図表で表現しているケースもあります。悪くはありませんが、見やすさ、理解しやすさ、データの必然性に主眼を置き、適切なデータ量と配置を悩んでください。
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