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日本の大学生はなぜ勉強しないのか 中島聡

資本主義社会において、貧富の差が生じるのは仕方がない。しかし、大学を出た瞬間の就職先で一生が決まるという「やり直しのきかない」社会はあまりにも不健全だ。それが若い人達を保守的な行動に走らせ、国全体としての活気を奪っている。中学高校で「詰め込み教育」を受け、大学ではろくに勉強せずに、霞ヶ関や大企業を好み、3年生で内定を受け、会社に入ったら上司の顔色をうかがいながら一生懸命に働き、偉くなったら天下り。これが日本のエリートだ。私がNTTの研究所に入って最も失望したのは、部長クラスの人達全員の頭が自分の「天下り先」このとで一杯だったこと。私が「NTTを辞めてMicrosoftに行く」と宣言したら、上司だけでなく、先輩や大学の教授までが入れ替わり立ち代わり「この日本の社会でレールから外れること(=身分を捨てること)がいかに馬鹿げているか。ベンチャー企業で働く人生がいかに厳しいか」を説得に来てくれた。彼らには申し訳ないが、あのままNTTにいたら、私も今頃は天下り先を物色しているのだろうと考えるとゾッとする。彼らには申し訳ないが、あのままNTTにいたら、私も今頃は天下り先を物色しているのだろうと考えるとゾッとする。2013.2.16Life is beautiful

編集部