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「学費無料、テストなし」のフィンランド教育が世界トップレベルの理由

大学までの学費は無料。授業時間が他国に比べて少なく、基礎教育課程では全国共通の学力テストもない。それにも関わらず、国際的な学習到達度テストでは常に上位を誇っている国が、フィンランドだ。来日していたフィンランドのクリスタ・キウル教育科学大臣が11月、日本記者クラブ(東京都千代田区)で会見。世界から注目を集めるフィンランドの教育制度について語った。その背景にあるものは、「信頼」なのだという。「多くの方からフィンランドのような優れた教育には、なにか秘密があるのでしょうかとよく質問を受けます。特に秘密はありません。特別な方程式もありません。さまざまな手法やツールが、たまたまうまくフィンランドに適応した結果といえます。そして、私から申し上げられるのは、すべての基礎は『信頼』であるということです」まず、キウル大臣はこう断言した。フィンランドは、経済協力開発機構(OECD)が2000年から3年ごとに実施している国際的な学習到達度テスト(PISA)で、読解力や科学リテラシーなどで常に高い成績を修めている。現在のフィンランドの教育は、1968年から始まった大胆な教育改革に起因する。2013.12.18  HUFFPOST  猪谷千香

「この年に、大きな政治的決断がなされました。天然資源もない小さな国でしたが、人材こそ財産であると国として判断し、国民にこそポテンシャルがあり、築く基礎があると考えました。そして、我々は持てる資源のほとんどを教育に投資することを決めたのです。中でも特に、すべての生徒に公平に教育をするという目標を掲げました。男女、家族の背景、財力は関係なく、万人に教育の機会を与える。それが、フィンランドの教育制度の根幹となりました。7歳の子供たちは将来、カーレーサーになるかもしれないし、大統領になるかもしれない。生徒たちがどんな大人になるかわからないからこそ、全員に投資すべきであると私たちは判断したわけです。すべての子供の可能性に賭け、フィンランドを担う人材に育てていくということを、政党がすべて一致して決断しました」

編集部