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日照量の変化に弱い体質の人は「冬季鬱病」に注意 治療の基本は日光浴

冬場になると体がだるかったり、気分が落ち込む病気がある。特定の季節に鬱になる季節性感情障害の一種、通称「冬季鬱病」だ。体内時計が乱れ「朝起きられない、夜寝つきが悪い」など、すべての生体リズムに遅れが生じる。つらいようなら受診しよう。「『冬季鬱病』とは俗称で、正確に言えば症例の多くは『双極性障害(躁鬱病)』なのです」 国立精神・神経医療研究センター精神生理研究部の三島和夫部長が説明する。
 「双極性障害には2つの型があり、I型は躁状態(気分の異常な高揚)と鬱が極端に強く出る典型的なタイプ。冬季鬱病の患者さんの8割方は、実際には夏に軽い躁状態があり、冬になると鬱が強く出るII型の双極性障害なのです」ここではII型の双極性障害も、冬季鬱病に統一して話をすすめたい。普通の鬱病と症状で大きく違うのは、過眠・過食になる点だ。
 「炭水化物や甘い物が食べたくなり、体重が増えます。これは血糖値を上げて、食物に含まれるセロトニンの原料のトリプトファンを脳に取り込みやすくさせる生体防御反応です」
治療の基本は、外に出て太陽光をよく浴びること。医療機関から強い人工光を放つ装置を借りて、毎日30分-1時間、光を浴びる高照度光療法も効果的だ。加えて、冬の間だけ抗うつ薬を処方する場合もある。
「普通、家の部屋の照明は300-500ルクスの明るさで、太陽光と同量を得るには数千-数万ルクスは必要です。ただし、窓際の席から外をじかに見ていれば5000-6000ルクスあるので、それなりの効果はあります」2013.12.19  zakzak

編集部