Abstract
Step1 疾患・異常を理解しよう! 「精神疾患の病態・概要」精神疾患には, 妊娠・出産が可能な年齢において有病率と発症率が高まるものが多い. さらに妊娠から産褥までの期間には, 妊娠と出産に伴う内分泌的な変化, 身体状況や体調の変化, 胎児の状態（健康状態や奇形の有無）に対する不安, 出産や育児に対する不安, 社会からの孤立感など, 妊婦本人にはさまざまな精神的負荷が加わる. 助産師の役割は, このことを念頭に置いて, 家族および精神科医, 産科医, 新生児担当医, 薬剤師らと連携し, 本人がより安定した状態で出産・育児に望めるようにサポートすることである. 以下に, 妊娠に合併する主要な精神疾患である, 不安障害（パニック障害を含む）およびうつ病（抑うつ状態を含む）, 双極性障害（躁うつ病）, てんかん, 統合失調症の疾患概念とそれらを合併した妊娠・分娩管理についての概要を解説する.
2012 / 12 04 精神疾患合併妊娠 メディカ出版