「初老期以降に初発する精神疾患は少ない。遅発性パラフレニーのような例外的な疾患を除くと、機能性の精神疾患が初老期以降に初発することは比較的稀である。そのようなケースに遭遇したら、『本当に単なる機能性精神疾患でよいのだろうか?』と自省する必要がある。これに関して、最近岡山大学精神科から発表された興味深いデータがある(長尾茂人、横田 修、池田知香子 ほか:中年期から老年期に精神障害を初発した52剖検例における神経変性基盤. 第31回日本認知症学会学術集会プログラム・抄録集, p108, 2012)。中年期から老年期に統合失調症様状態を中心とする精神障害を初発した52剖検例の検討である。結果として、半数近くが非ADの認知症であるレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies;DLB)、嗜銀顆粒性認知症(メモ8参照)、CBD、PSPなどの変性疾患であったと報告されている。つまり遅発性の精神疾患なら器質的背景を疑う必要がある。」(朝田 隆編集:誤診症例から学ぶ─認知症とその他の疾患の鑑別 医学書院, 東京, 2013, p19)2014.1.5 apital
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