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認知症「予備軍」17% 国立長寿研、症状悪化防止へ試験事業

国立長寿医療研究センターの島田裕之・自立支援システム開発室長のチームが、名古屋市緑区の70歳以上の高齢者5500人に認知症の検査をしたところ、6人に1人の割合で軽度認知障害の疑いがあることが分かった。チームは症状悪化を防ぐため2014年度、認知症予備軍の人たちに民間フィットネスジムなどで体を動かしてもらう試験事業に乗り出す。

調査では、筋力や骨密度、歩行能力などの検査をした上で、数十問のテストを出題。タブレット型端末「iPad」を使い、ヘッドホンで聴いた物語の内容を再現したり、画面に表示された数字を並べ替えてもらった。その結果、参加者の17%に当たる約900人は記憶力や情報処理能力面から、軽度認知障害の疑いがあると判明。日常生活に大きな支障はないが、「数日間で同じ物を2度買ってしまった」「最近会った人に『久しぶり』と言った」などの物忘れ症状が出る段階という。そこで研究チームは緑区内のフィットネスジムやダンス教室のほか、名古屋フィルハーモニー交響楽団の打楽器奏者などに協力を依頼。軽度認知障害の疑いがあるとされた高齢者のうち300〜400人に10カ月間、エアロビック体操や楽器演奏に無料で取り組んでもらい、予防効果の比較や検証を進める。2014.01.09 中日新聞つなごう医療

編集部