米シカゴ大学心理学部のWilliam S. Gray教授とAmanda L. Woodward女史らのチームは、少なくとも生後9か月の赤ちゃんには既に、他人同士の好き嫌いを見分ける能力が備わっている事実を明らかにした。調査は64人の生後9か月の赤ちゃんを2つのグループに分けて行われた。赤ちゃんたちには2人の大人が登場するビデオを観てもらったが、登場人物はそれぞれ2つの食べ物を食べて、1つには美味しそうに反応し、もう1つはまずそうな顔をした。続くビデオでは、再び登場した同じ2人の大人がお互い友好的、または非友好的な態度をとる様子を観てもらい、赤ちゃんたちの反応を観察した。赤ちゃんたちが画面を見ていた時間を計測したところ、赤ちゃんの視線は同じ食べ物が好きな2人がいがみ合っている場面、及び食べ物の好みが一致しない2人が友好的にしている場面に長く注がれていた。過去の研究で赤ちゃんは好きなものを、または予期せぬ意外なものを長く眺める傾向があると判明している。赤ちゃんは仲の良し悪しをどう判断したのだろうか?この疑問に対し共同研究者のZoe Liberman氏は、「赤ちゃんは自身の周りで起きている出来事の経過を追い、社会的な交流についてあれこれ推察していると言ったらご両親は驚くでしょう」と述べている。人はこんなに小さい頃から、他人への好き嫌いといった社会的な認識を身に付け始めることが、今回の調査で明らかになった。2014.01.09 IRORIO
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