うつ病の原因の1つとして、強いストレスなどにより脳内の神経伝達物質であるセロトニンの濃度が低下することが考えられており、現在、脳内のセロトニン濃度を高める薬(セロトニン再取り込み阻害薬)が抗うつ薬として広く使用されています。この薬は効果の発現が遅く、毎日服用しても治療効果が現れるまで数週間かかり、吐き気や神経過敏などの副作用が見られ、このことがうつ病患者の回復を遅らせたり、自殺のリスクを高める要因となっています。最近、麻酔・鎮痛などに使用されているケタミンが、低用量の投与で2時間以内に抗うつ作用を示し(即効性)、その効果が数日間持続すること(持続性)が報告されました。既存の抗うつ薬では効果が低いうつ病の患者にも治療効果が認められたことから、新しいタイプの抗うつ薬として期待されています。2014.1.8 理研
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