このままいくと隠蔽(いんぺい)される。心配になった」主要メンバーとして改ざん疑惑を見つけ、告発メールを送った脳血管研究所教授の杉下守弘・元東大教授は3日の会見で、実名を明かして真相究明を訴えるに至った心境をこう語った。当初は表舞台で訴えるつもりはなかった。だが、厚労省は告発メールを研究責任者の岩坪威東大教授に転送し、杉下氏が告発したことが研究者らの間に知れわたった。さらに岩坪教授が報道関係者や研究者らに向けて杉下氏の人格を批判し、杉下氏が人間関係のもつれから告発に踏み切ったとの見方が厚労省内や学界に広がった。杉下氏は告発前にも研究チーム内でデータ改ざんの恐れがあることを訴えていたが変わらなかった。厚労省に告発メールを送った後も担当者に2度会って訴えた。それでも厚労省は告発として受理せず、岩坪教授が所属する東大に調査を任せた。杉下氏は「私が告発したのは人間関係のもつれからではない。このままだと日本の研究が国際的信用を失うからだ。問題を矮小化(わいしょうか)してはならない」と憤る。2014.2.4 朝日新聞デジタル
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