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体内タイマーでクラゲになる時期をお知らせ? クラゲの不思議な生態を解明

沖縄科学技術大学院大学のコンスタンチン・カールツリン研究員はドイツ・キール大学の動物学研究所の共同研究者らとともに、このクラゲを用いて1つの動物の中の1つのゲノムが、どのようにして2つの全く異なる形態を作り出すのかを研究。興味深い知見を得た。ポリプがクラゲになるために分離した各部分は横分体と呼ばれるが、カールツリン氏らはまず変体途中の横分体、すなわち活発に芽体を出している部分を、変体していないポリプに与え、変体を引き起こす何らかの物質が横分体の中に存在するかどうか調べた。その結果、通常は温度の低下により変体が誘導されるが、横分体を与えたポリプは温度低下なしでも変態した。そこで横分体から出た何らかの物質が変体を引き起こすと結論づけ、原因遺伝子の特定に取りかかった。横分体の段階でのみ発現する遺伝子を特定した結果、3種類の候補遺伝子を特定。中でも特にCL390と名付けられた遺伝子は、横分体で発現し、水温が下がると発現のスイッチがオンとなり、低温状態が長く続くと発現が強くなる、というポリプからクラゲへの変体誘導に重要な全ての条件を満たしていた。そして、ポリプの変体には一定期間低温状態が継続することが必要だということも分かった。このことは、食べ物が少ない冬季に、ポリプがクラゲへと変態するのを防いでいると考えられる。そして、CL390遺伝子は水温が十分に長い期間低下していることをポリプに伝えるためのタイマー、つまり、冬が終わりに近づき、変体の時期が到来したことを知らせる「目覚まし時計」としての役割を果たしていることが示唆された。2014.2.8  財経新聞

編集部