思春期青年期は多くの小説、映画、漫画などでも取り上げられており、とても魅力的な時期と言えるでしょう。一方、自立へと向かう時期でもあり、心理療法やセラピストとの関係性には葛藤的であったり、自分のことを言語化することへの抵抗が強まったりする時期でもあります。そのため、思春 期青年期の人たちと心理療法で出会ったり、心理療法を継続したりするのが難しいことは少なくありません。本セミナーを通して、現代の思春期青年期の心性についての理解を分析心理学と精神分析の 視点から深めることができればと思います。また、発達障がい特性をもつ思春期青年期の人たちの心の発達にとって、心理療法や精神分析、及び、私たちの専門性がどのように役立ち得るのか、ユング派の岩宮恵子先生、そして、クライン派の西村理晃先生から学び、一緒に探索する機会を持ちたいと思います。
◆ 第1回目 2021 年 11 月 3 日(祝・水)13 時~17 時 (オンライン開講)
【講師】 岩宮 恵子(島根大学 人間科学部)
【講義内容】 現代の思春期のクライエントを理解するうえで、彼らの人間関係の様相がどうなっているのかを知ると、また別の景色が見えてきます。特に発達障がいが疑われているクライエントの 生きづらさには、今の思春期・青年期の人たちをめぐる「共同体」の変化が関係しているように思います。「所属する場によって規定される共同体」ではなく「自己責任によって構築する共同体」へと移行してきているがゆえに、余計に彼らの苦しさが増している部分もあるのではないかと感じています。当日は、具体的な例を提示しながら、思春期・青年期のクライエントの今について、考えていけたらと思っています。
◆ 第2回目 2021 年 12 月 19 日(日)15 時~19 時 (オンライン開講)
【講師】 西村 理晃(個人開業/ロンドン医療センター/Camden Psychotherapy Unit/
認定NPO法人子どもの心理療法支援会)
【講義内容】 ASD を抱えるこどもたちの中に、思春期を迎えると迫害/妄想的不安が刺激され、自閉的状態(AS)と精神病的状態(PS)の混合様状態を示す一群がある。このような状態にある思春期の人たちとの精神分析的心理療法は PS の不安に触れなければ継続はするが、ASにセラピストが依存することになり治療の停滞が生じやすい。本セミナーでは、こういった状態にある思春期の人たちを精神分析的心理療法でどのように理解し、介入するかを検討していく。
司会 脇谷順子(杏林大学 保健学部/認定NPO法人子どもの心理療法支援会)
*第2回目の開講時間にご注意ください。
*第1回、第2回とも、前半はご講義、後半は事例検討を行います。
【対象】 医療、教育、福祉、司法領域、及び近接領域の専門家、大学院生。事例の守秘を厳守できる方。
【受講料】 12000 円(全2回)/7000 円(どちらか1回のみ)*定員を超えた場合、全2回のお申込者を優先させていただきます。
【定員】 40 名
【開催方法】 2回とも ZOOM によるオンライン開催となります。
【申込方法】 http://kodera.or.jp/pdf/2021/a11_child_mind2020.pdf
【申込締切】 2021 年 10 月 25 日(月)
【セミナータイトル】 【認知行…