体罰は個々の指導者や選手の心がけや倫理観だけの問題ではない。スポーツ全体のあり方やその構造に根ざした問題ととらえるべきであって、それは彼らを理屈で論破したり激しいことばで黙らせたりすることでは変わらない。したがって、その解決のために行うべきなのは、指導者たちが納得して行動を変えたくなるような具体的な対策を打ち出し、スポーツ界の構造を変えていくことだ。指導者の糾弾ばかりしていれば、指導者に過剰なリスクを負わせることになる。上記の「ガイドライン」も、「諸条件を客観的に考慮して判断すべき」としていくつかの例を挙げるものであって、あらゆる場合を網羅したルールではもとよりないから、現場での判断には必ずリスクが伴う。指導者の意図や配慮が選手にきちんと伝わらない可能性があるからだ。2013.10.7SYNODOS山口浩
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