パーソナリティ心理学者へのインタビュー 帝塚山学院大 西川隆蔵先生

心理学は哲学などと比べると,生身の人間に沿ったものだと思います。
(自戒の意味も込めつつですが)現実の人間に喜びを与えられるような方向性を持っていてもらいたいと思いますね。現実から遊離しないで,どれだけ社会や人に研究を還元できるかということを意識しながら,自分がやっている研究を眺める,ということが大事だと思ったりしますね。
量的な研究をしている人も,そういった思いを言語化・文字化するというトレーニングが必要だと思いますし,そういうことをしていれば,もっと違う世界が開けてくるのではないかと思います。
そして,生身の人間に密着した研究をするなら,光の部分と同時に影も見るというように,全体的な眺めを意識するということも必要になるのではないでしょうか。たとえば,幸福についての研究をするなら,不幸も抱き合わせで見ていくべきで,そのような対立や葛藤,そしてそれを超えたところまでを含んだ見方を意識するということですね。そこには常に悩みもあると思いますが,悩みを抱えつつ研究するのが,研究者として大事な姿勢なのではないか,と思っています。2013.10.30パーソナリティ心理学会


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