財務省は、公立小中学校の教員の給与を来年度から削減する方向で調整に入った。普通の公務員並みの水準にするため、年収で1・7%のカットを求めている。年末に向けて文部科学省と調整するが、引き下げれば3年ぶりとなる。教員の給与は、優秀な人材を集めるために普通の公務員よりも高くしてきたが、財政悪化を受けて文部科学省は2006年、給与を12年度までに年収で2・76%カットする方針を自民党に文書で示していた。08~11年度にかけて段階的に引き下げたが、削減率は約1%にとどまっている。教職員の労働組合「日本教職員組合」が民主党を支援しているため、民主党政権(09~12年)のもとで引き下げのペースが鈍ったとみられている。自民党が昨年末に政権に復帰したこともあり、財務省は06年の方針通りのカットに踏み切る検討に入った。平均年齢である43歳の教員の年収は608万円。1・7%削減すると、年収は約10万円減る。教員の給与の財源は国と地方で出し合っているため、1・7%カットで国は約250億円、地方は約500億円、それぞれ予算を減らせる。ただ、文科省は削減に慎重で、削減幅などの調整は難航しそうだ。2013.11.8 朝日新聞
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