米ハーバード大学の研究グループによる調査結果が、がん専門誌(オンライン版)に載った。配偶者の有無によって、死亡率や治療に差が生じるか? という興味深いもの。果たしてその結果は……。調査は全米がん登録システムのデータベースのデータを用いて行われた。2004~08年の間にがんに罹患した73万4899人について、配偶者の有無と初診時のステージ(病期)、診断後の治療法、そして最終的な死亡率との関連を調べたのである。対象のがん種は、大腸、乳房、膵臓、前立腺、卵巣、食道の各臓器がんと、肝臓/管内胆管がん、非ホジキンリンパ腫、頭頸部がんなどだった。その結果、配偶者がいる場合、死別や離婚、別居などで配偶者を失ったがん患者よりも、早期にがんが発見されることが多く、根治的な治療を受けるチャンスが1.53倍高かったのである。また、仮に進行がんであっても、がんに関連した死亡は、配偶者を持つ人が有意に少なかった。しかも、大腸がん、乳がん、前立腺がん、食道がんおよび頭頸部がんでは、「配偶者」による延命効果が、抗がん剤治療のそれよりも大きかったのである。ちなみに、調査対象としたすべてのがんで「配偶者効果」は女性よりも男性──夫側で大きかったことも付け加えておく。2013.11.13 DIAMOND online
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