うつとアルツハイマー病の密接な関係

熊本大学大学院生命科学研究部脳機能病態学分野の池田学教授は、「若年性アルツハイマー病の患者さんは、しばしば治療が必要なほどの抑うつ状態を伴っています。まず、うつ病の治療を実施して、抑うつ状態が治っても記憶障害が持続することを確かめてからはじめてアルツハイマー病と診断するような微妙なケースも確かにあります。したがって繰り返しになりますが、少しでも若年性の認知症が疑われる場合は、一度は専門医を受診することをお勧めします。」(池田 学:認知症 中央公論新社発行, 東京, 2010, p157)と話しており、初老期アルツハイマー病の診断面での難しさについて言及されている。2013.12.26 apital

うつ病とアルツハイマー病の密接な関係
シリーズ第75回『軽度認知障害─認知症への進展は止められるのか』
うつ病の患者さんにおいてはアミロイドβタンパク(Aβ)に対する自己抗体の減少がみられており、それがうつ病患者さんにおいてアルツハイマー病のリスクが高くなる要因ではないかと指摘されている。

「うつ」と「アパシー」と「認知症」の鑑別のポイント
シリーズ第51回『その他の認知症─仮性認知症』
アパシー(apathy)とは、無気力・無関心・無感動のため、周りがやるようにと促しても、本人は面倒だから、全然動こうとしないし気にもしない状態(深刻さなく、自覚に乏しい)です。そして、このアパシーの存在ゆえに、認知症がうつ病と誤診されているケースもある。

アパシーの認められる頻度
シリーズ第23回『認知症の代表的疾患─血管性認知症 血管性認知症の症状の特徴』
アルツハイマー病の40%に対し、血管性認知症では75%にのぼる。

 


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