海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」の乗組員が10年前に自殺した問題で、「いじめを示す調査文書が隠されている」と内部告発した40代の3等海佐に対し、海自が懲戒処分の手続きを始めたと、朝日新聞が昨年12月に報じた。告発時に、証拠として関連文書のコピーを自宅に保管していたことが、規律違反になるというのだ。「公益通報者保護法」は、組織の不正をただそうと内部告発をした人を守るため、告発を理由に解雇や不利益な取り扱いを禁じているはずだが、こうした処分は許されるのだろうか。公益通報者保護制度にくわしい山本雄大弁護士によると、「今回の持出し行為がどう評価されるかにもよりますが、こうした判例に照らし合わせて考えれば、仮に海自が懲戒処分をした場合、その処分は公益通報者保護法が禁止する『不利益取扱い』に該当するか、懲戒権の濫用にあたるとして、無効となる場合もあるでしょう。さらに、場合によっては、違法な懲戒処分をしたとして、海自側が損害賠償責任を負う可能性もあるでしょう。いずれにしても、海自の対応は、公益通報者保護制度の趣旨を理解せず、自浄能力を低下させてしまう結果となりかねない内容です」という。2014.01.11 弁護士ドットコム
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