セラピストの基本的態度は本当に基本的なのか? 個人ブログ
- 2014/2/4
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技法については、ロジャーズは関係性の中のみで変容が起きると考えていたため、技法による効果はほとんどなく、技法によって育まれる関係性が治療効果として表れている、と考えていたようである。
しかし現在では関係性・技法共に効果に影響を与えていることがわかっている。
ケース性については、全てのクライエントに対して同様のアプローチをとったため、個々に合わせた、いわゆるオーダーメイドな援助がなされない、という問題点も指摘されている。
(久野先生が著書で、「自殺願望者に頷いてたら死んじゃうよ」と書かれていたのを思い出しますね)
そして現在は、これらを考慮したうえで「therapeutic alliance」として、どのセラピーにも共通にみられる要因の研究、という段階に進んでいるようである。
(これについてもどこかで触れたい)
しかしここまで調べてきて、一つ大きな不満点がある。
それは先の6条件の実証研究がほとんど見られない、という事である。
(単に調べ方が悪い可能性も否定できないので、詳しい方はぜひ教えていただきたい)
ロジャーズは、とにかくこの仮説を実証的に検証する事を望んでいた。
これが正しいにせよ間違ってるにせよ、そうして研究というものは進み、それがクライエントのためになるのだと思っていたのだろう。
しかし、この2014年現在「セラピストの基本的態度」として57年間何も改変されずに生き残り続けている。
これがロジャーズが求めていた事なのだろうか?
今現在ではtherapeutic allianceの研究が進み、どのアプローチにも共通して見られる効果の要因について大分わかってきたようである。
しかしこちらについて、どのくらいの人が知っているのだろうか?(自分は知りませんでした)
2014.2.2 臨床心理学について