一般的に誰かに関する悪い評判を聞くと、その人に対する信頼度は下がります。シカゴ大学のマーガレット・ワードル博士らは、そのとき脳の尾状核が強く反応することを明らかにしました。これは何を意味するのか。尾状核は運動系の一つで、いちいち考えなくても体がスムーズに動くように筋肉の動きなどを計算します。たとえば小魚が大きな魚に追われているときに川が二股に分かれていたとします。このとき右に逃げるべきなのか、それとも左に進むべきか。その直感的な判断を下すのが尾状核です。悪い評判を聞いたときに尾状核が反応するということから、信頼するかどうかの判断には直感が深くかかわっていることが推察できるのです。直感は非論理的だから役に立たないというわけではありません。私たちは大脳新皮質だけで論理的な思考をしていると思いがちですが、尾状核のある古い脳でも論理的な判断をしています。直感的な判断は、論理の過程が意識にのぼらないだけであり、あてずっぽうで決めているわけではないのです。むしろ理屈より、直感のほうが正しい場合もあります。たとえば一目惚れがそうです。一目惚れで付き合い始めたカップルは結婚に至る確率が高く、離婚率も低いことが調査からわかっています。おそらく相手を信頼できるかどうかについても同じで、第一印象による判断は比較的正しいと考えられています。2014.02.24 President Online
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